Wikiをはじめる
以前からちょっとやってみたいと思っていたWiki。PukiWikiをインストールしてサイトを作ってみることにしました。
日本語Wikiの選択
Wikiとはウェブブラウザを使ってサーバ上のハイパーテキスト文書を書き換えるシステムのことで、1995年にワード・カニンガム氏によって開発されたそうです。もともとPerlという言語で開発されたソフトなのですが、その後、いろいろな人の手によって改良されたり作り変えられたりして、今ではPerl、PHP、Ruby、JavaScriptなどで書かれた多くのWikiが手に入ります。
日本語が使えるWikiとして有名なのは、YukiWiki、PukiWiki、TiddyWikiなど。私はPHPで開発されたPukiWikiを導入することにしました。
サーバーを借りる
自前サーバーを設置する技術もお金も持っていませんので、無料サーバーを借りることにしました。PukiWikiを使うためにはPHP利用可能なサーバーでなければなりません。
ネットでいろいろと検索して、「ぶっとびねっと」を使うことにしました。PHPの利用ができ、容量無制限です。サイトの上下に広告が入りますが、テキスト広告なのでそんなに気にならないでしょう。
2007年10月現在、「ぶっとびねっと」が提供する無料レンタルサーバーのPHPはバージョン5.1.6でした。
PukiWikiのダウンロード
PukiWikiはこちらからダウンロードできます。
エンコード形式「EUC-JP」のPukiWikiをダウンロードします。ZIP圧縮されていますので、これを解凍します。
私がダウンロードしたPukiWikiはバージョン1.4.7です。解凍すると「pukiwiki-1.4.7_notb」というフォルダができます。フォルダ名は分かりやすいものに変更しておくといいかもしれません。ただし、日本語ではなく半角英数字を使うほうが無難です。
初期設定ファイルの編集
フォルダの中に「pukiwiki.ini.php」というファイルがありますので、これを編集します。PukiWikiの編集にはEUCコードを扱ったり改行コードを変換したりできるテキストエディタが必要です。私は「TeraPad」というフリーウェアを使いました。
「TeraPad」はこちらからダウンロードできます。
「pukiwiki.ini.php」をTeraPadで開いたら、次の5か所を書き換えます。ここでも半角英数字を使いましょう。
114行目
$page_title = 'PukiWiki';
「PukiWiki」を自分のサイト名に書き換えます。
117行目
//$script = 'http://example.com/pukiwiki/';
ぶっとびねっとを使う場合、ここでスクリプトを指定しておく必要があるみたいです。
行頭の「//」を削除し、「http://」以下を自分のサイトのURLに書き換えます。サーバーの自分のディレクトリにPukiWikiのファイルを直接置く場合は、
$script = 'http://(ユーザーID).(サーバー名).buttobi.net/';
となります。1つディレクトリを作って(例えば「MyWiki」)、その中にPukiWikiのファイルを置く場合は、
$script = 'http://(ユーザーID).(サーバー名).buttobi.net/MyWiki/';
となります。
123行目
$modifier = 'anonymous';
「anonymous」を自分のユーザー名に書き換えます。レンタルサーバーのユーザー名と同じにしておきます。
126行目
$modifierlink = 'http://pukiwiki.example.com/';
「http://」以下を自分のサイトのURLに書き換えます。レンタルサーバーのホスト名と同じにしておきます。ぶっとびねっとでは、
http://(ユーザーID).(サーバー名).buttobi.net/
となるはずです。
193行目
$adminpass = '{x-php-md5}!';
「{x-php-md5}!」を自分の好きなパスワードに書き換えます。
以上の編集が終わったら、ファイルを上書き保存して終了します。
サーバーへのアップロード
PukiWikiのフォルダ・ファイル一式をサーバーへアップします。ぶっとびねっとが提供しているファイルマネージャーを使ってもいいですし、FTPクライアントを使ってもいいです。
私は「FFFTP」というフリーウェアを使っています。
「FFFTP」はこちらからダウンロードできます。
起動すると「ホスト一覧」が表示されます。新しくインストールした場合は、一覧には何も表示されません。「新規ホスト」をクリックします。
「ホストの設定名」には適当な名前を入力します。これが上述の「ホスト一覧」に表示される名前になります。
「ホスト名(アドレス)」「ユーザ名」「パスワード」には、ぶっとびねっとに登録した際にメールで知らされるホスト名、ID、パスワードをそれぞれ入力します。
「OK」を押すと「ホスト一覧」に戻ります。接続したいぶっとびねっとのホスト名を選んで「接続」を押すと新しいウィンドウが開いてサーバーに繋がります。
ウィンドウの左欄でPukiWikiのフォルダ・ファイル一式を選択し、右欄にドラックアンドドロップすればアップロードが始まります。
パーミッションの変更
アップロードしたフォルダやファイルのパーミッション(権限)を変更します。FFFTPでフォルダやファイルを選択し、右クリック>「属性変更」で行うことができます。
どのようなパーミッションにするかは、PukiWiki公式サイトのこちらのページをご参照下さい。
動作チェック
PukiWikiのインストールが終了したら、ウェブブラウザにURLを入れてサイトを表示させてみます。ちなみに、Wikiを初期設定してアップロードすることをインストールと呼んでいるみたいです。
「凍結解凍」をクリックしてパスワードを入力すれば、「新規」や「編集」などの作業ができるようになります。
パスワードの暗号化
すでにパスワードの設定はしているのですが、これを暗号化すると安全性が高まります。
ウェブブラウザで
http://(PukiWikiをインストールしたURL)/?plugin=md5
にアクセスすると「Compute userPassword」というページが開きます。
「Phrase」に自分の好きなパスワードを入力し、「PHP md5()」にチェックを入れて「compute」を押すと、パスワードが暗号化されて表示されます。
ちなみに「password」という文字を暗号化してみると
{x-php-md5}5f4dcc3b5aa765d61d8327deb882cf99
と表示されます。
次に、初期設定ファイル「「pukiwiki.ini.php」を再びTeraPadで開き、以下のように編集します。
193行目
$adminpass = '(最初に設定したパスワード)';
この行を削除します。
197行目
//$adminpass = '{x-php-md5}1a1dc91c907325c69271ddf0c944bc72'; // PHP md5() 'pass'
行頭の「//」を削除し、「{x-php-md5}1a1dc91c907325c69271ddf0c944bc72」の部分を先ほど暗号化したパスワードに書き換えます。
ファイルを上書き保存し、FFFTPを使ってサーバーにアップロードし直せば完了です。